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 昨今の「健康ブーム」において、飲料としての「茶」に関する関心は、非常に高いものがあり、また、広く食生活全般に目を向けても、「健康」「ヘルシー」といったキーワードを多く目にいたします。

 その一方で、市場の「食文化の伝承」について見てみると、必ずしも「食」が文化として伝承する形ではなく、単なる「たべ物」として伝承されている傾向が全国各地に見受けられます。中でも、飲料においては、現在、市場に存在する飲み物が、どのような原料によって、どのような製造工程をへて作られたのかについても全く認識せず、食品スーパー、コンビニ、外食店にて、単に味覚の好みだけによって、購入し、飲んでいるといった実態となっています。

 つまり、人間が生物として最低限判断するべきである安全性についても無防備となり、自分が飲する飲料について、全く知識をもっていないにも関わらず、口にしてしまうといった状況にあるのです。



 本来、「食事(飲料)」はその素材を認識し、調理方法を理解した上で自身の体に与える影響を考えて食するものであり、その背景には、各地域固有の文化に根ざすところが大きかったはずです。

 特に、日本固有の飲料である「日本茶」については、各地域の文化によって原料、製造方法がことなった考え方で作られ親しまれてきたものであります。

 その「茶」は、昨今、各飲料メーカーの努力により、原料の高品質化や製造方法の洗練によって、だれが飲んでもおいしい飲み物に変化してきています。

 つまり、供給する側の飲料メーカーは、購買者が好む飲料を開発・販売することに向かい、購買者は、単に自分の嗜好に合っているかどうかの判断だけで、飲料を選択する傾向が多くなっています。

 このような表層的な流通を進行することは、経済の成長を実現していく一方で、人間として本来持っていなければならない自己防衛のための安全性の尺度をなくしてしまう恐れがあると同時に、文化的背景をもった飲料の製造方法を継承できなくなっていく傾向がうかがえます。



 そこで、特定非営利活動法人として、広く一般市民に対して、飲料としての日本茶に関する各種情報を提供することで、日本文化の伝承に貢献すると同時に、飲料メーカーに対して、単に嗜好性を求めるだけではなく文化的背景を含めた情報発信をさせるための働きかけをしたいとの思いをもって、本協会を設立したいと考えました。

 本協会が広く一般社会に対して日本茶に関する各種情報を発信することで、日本の食文化の継承に貢献できれば幸いであります。

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